介護職という選択

介護職への就職を選択する方へ。現役デイサービス施設長からの情報提供

介護施設の人間関係

介護施設の人間関係人間関係の難しい仕事ってあります。残念ながら介護施設もその中に入ると思います。なぜそうなるかを考えてみます。とは言え、全ての施設が険悪な人間関係になっている訳ではありません。介護職にとって良い雰囲気の介護施設はたくさんあります。でも気を付けないとそんな居心地の良さはすぐに壊れてしまうあやうさがあります。介護職に就いたら気を付けてほしいのです。そんな想いを込めたらちょっと大げさ目の話になってしまいました。

上下関係がはっきりしない

営業職ではどうでしょうか。平社員と係長さん、売上金額が段違いに違います。そうなると当然平社員より係長さんの方が偉いと言う事になります。係長さんの指示は威厳をもって平社員に伝わります。上司である課長さんも平社員の言う事は聞き流しても係長の発言は真剣に聞いたりします。役付きでないとしても売上グラフでの上位の人は下位の人より偉いように扱われるのは当然です。
売り上げを作ると言う単純明確な目的の上に金額と言う非常に客観的な判断材料があって上下関係が明確になります。

ところが介護施設の特徴に介護職一人ひとりの力量の差が見えにくいと言う事があります。こんな所からも人間関係が悪化する原因となります。

批判しやすい

介護職ではその介護は良かったか悪かったかの判断は解釈によって是にも非にもなる事が多いのです。上下関係が見えにくくなります。

下の者が上を批判するのは良くある事。営業職では「売れればよいと言う物ではない」「手段を選ばぬ売り方はいかがなものか」などとは言えますが「でもあの人は稼いでいるよね」と言ってしまえば批判の言葉の説得力は低いです。善悪がはっきりしているからです。
ところが介護職では批判はしやすく批判の否定はしにくいのです。

昔こんな事がありました。アイドルがたくさん出て来た時。私の方が歌がうまい。あんなのでデビューできるなら私もアイドルだってのを良く聞きました。ところがアイドルってのは見た目が第一条件。自分の見た目は置いての批判です。国民的にかわいいけれど歌が下手な人と歌が人並だけど容姿が残念な人。どちらがアイドルに近いでしょうか。
これは本末転倒、本質から外れた所のもっともらしい批判も可能だと言う例です。

これに似た批判は介護業界でも良く見られるのです。かんじんな所を無視してどうでもよい所を比較する。こうして介護施設の人間関係は悪くなる事があります。

正解が見つけにくい

仕事上でうまくやりたいのは誰でも思う事。目的はお客様の満足。明確です。そのための方法はいっぱい。どれが正解かは何とも言えません。正解はないかもしれません。どの方法にも必ずメリットとデメリットがあります。メリットが多くてデメリットが少ないのがベストな方法ですが、その量を測る物差しのような物はありません

同じ事をするのにある人はある方法が良く見えますが、別の人は他の方法の方がよいと言うかも。どう言う言い方をするか。言い方によっては後々に遺恨を残す事になりかねません。熱心な人ほど、自分の思った方法を力を入れて説明するのは当然の事。違う方法を提案する方も熱心だったら収拾が付かなくなります。

説得の方法は色々。「声の大きい方が勝つ」のは実際あります。無理やりって事ばかりではありません。正しい正しくないは別として説得力のある説明は賛同を得やすいのです。
間違った事ばかり言う人、また間違っているとは限りません。今度こそ正解を言っているかもしれません。でもその案を支持してくれる人は少ないでしょう。
手っ取り早い思い付きと将来を見据えた改善方法。視点をどこに置くかでどっちをすべきかは変わって来るのです。

結局はやってみたらいいのです。そうしますと正解だったかどうかはわかる・・・と言いたいところですが正しかったかどうかもわかりにくい事がほとんど。人対人の仕事ですし、お客様には気分や病気や認知症等々あって、その方法のメリットデメリットが予想通り現れるとは限りません。それに試すチャンスは一回しかない事も多いのです。

こうして批判をしやすい体制のためか、かげぐちから悪口までが正当な改善案が混じり、前にこうだったと言う根にもったような険悪な雰囲気になりがちなのもしょうがないのです。

女の職場

介護施設は女性職員が多いのです。これも特徴かと思われます。何故多いかと言うと同性介助の施設が多いのです。高齢者は女性が多いので女性職員が多くなります。女の職場は難しと言います。これはもう皆様ご存知の通り、良く聞きますよね。特に説明はいらないと思いますが。

チームワークの職場

介護の仕事はチームワークで行われます。利用者の問題は良くなったり悪くなったり他からの影響を受けたりと長期間にわたって変化しながら続いて行きます。介護職は自分の勤務時間とローテーションの枠の中で利用者の問題に向き合います。連続している利用者の問題の時間を切り取るように。ここで必要なのが連携、チームワークです。
性格や考え方の違う複数の人間が連携しようとすると、頑張りが必要です。
それぞれがかかわりを持たずに自分の責任だけで仕事を進めて行くならお互いの雰囲気が悪くなる事はありません。チームワークの仕事は職場を悪くする危険性が大きいのです。

介護の施設だけではなく上下関係がはっきりせず、女性が多いチームワークが大事な職場、病棟の看護師も同様の人間関係が難しくなる危険性が高いのです。

配慮が必要な人がいる

介護業界は人手不足。買い手市場の業界では採用されないような方が職場にいる事は多いのです。変人とかではなく定年に近いとか超えているとか極端に勤務日数が少ないとか。ていねいにコミュニケーションをとる必要があります。

配慮が必要と言うのはちょっと遠まわしでしたがよそで通用しないような方が猛威を振るう事もあります。能力の低さを改善しようとしない人、物の価値観が一般的でない人、自分の権利を守る事が最優先の人、非常識、厚顔無恥等々。要は変人。ましてそんな人が発言力を持つ立場だったとしたら職場環境はとたんに悪化します。これは介護業界に限らず良くある話なのでネット上に色々悩んでいる人の話やこうしたら良いと言う策がたくさんあります。

困った人がいるのは一概に悪い事ではありません。まともな人達の結束が固まる事もありますから。でも概して変人がのさばって、まともな人が続かないのは良くある話、ここはまともな人同士で励まし合って行きたいところです。

まさかこのサイトを読んでおられる方は変人ではないと思うのですが。もしそうであったとしたらしっかりと自分の短所を客観的に把握して克服はすぐには無理でもその努力が見えるようにしていただきたいところです。何らかの問題があって今回介護職を選択するのだと言う方は問題克服のチャンスにしていただきたいところです。

施設の人間関係を”かんり じんじ”が考える

かんり じんじ

改善方法を書きたいところですがこの問題は一筋縄では片付きません。まずは施設の目的を常に意識して自分の言動がお客様本位になっているかどうかをチェックしたいところです。自分の権利主張か仕事上の既得権を守りたいのかわがままか利用者の権利を守るのか組織全体の利益を確保したいのか。
正しい事だから手段を選ばずでは困ります。物言いはおだやかか、反対意見を受け入れるだけの気持ちの余裕があるか、依怙地になっていないか。
そんな所は考えたいところです。何よりも自分だけでなく、他の同僚上司部下も気持ち良く働けるようにはどうしたらいいかの視点を常に意識する事によって職場の人間関係は改善されて行くと思われます。

 - 介護職に知っておいてほしい事