介護職という選択

介護職への就職を選択する方へ。現役デイサービス施設長からの情報提供

介護のQCD。異業種の考えを取り入れてみる

製造業異業種の話をしましょう。QCDとは製造業の生産管理でよく使われる基本的な言葉です。実は私、”かんり じんじ”は製造業の現場にも少しかかわった事があるのです。その時QCDについて深く感銘を受けました。何故、わざわざ他業種の話をするかと言うと例としてわかりやすいのが一つ。色々な業種で応用できる考え方であるのがもう一つ。介護業界なんてまだ始まったばかりです。製造業はかなり古くからあります。しかも物作りに関しては日本は超一流。工芸品を作る職人技から工業品まで。参考にできる点に思い当ったのがもう一つの理由です。
Q:クオリティ=品質
C:コスト=価格
D:デリバリー=納期
の略です。
クオリティとは品質・性能。性能は良い方がいいですよね。
コストは・・・文字通り価格の事です。安いに越した事はありません。
デリバリーは入手しやすさを意味します。どこでも売っている方がいいです。欲しいと思ったらすぐ買える方が良いです。この場合は注文を受けてお客様に届くまでの時間を言います。
このバランスが取れていないと製品としてよろしくないのですがその理由をさらに詳しく。と言っても生産管理にどっぷり浸った訳ではありません。生噛りの部分はありますのは笑って許していただきたいところです。

こんな視点を介護を考える時の参考にしていただけましたら。

QCDについて

クオリティ

クオリティは品質・性能です。高性能ってどう言う物でしょうか。例えば高品質、大容量、大出力、多機能、高耐久性・・・。高級な材質を使ってていねいに作る事によって性能はアップします。逆も言えます。高性能の物は高い材料を使って手間暇かけてていねいにに作る必要があります。

コスト

コストは価格になります。安いに越した事はないのです。安くするにはどうするかと言うと材料をケチって原価を下げ、同じ時間でたくさん作るために手を抜くと簡単です。そうしますと必然的に品質は落ちます。コストとクオリティは表裏一体、良い物=高い。安い物=悪い。これは当然の事です。

デリバリー

デリバリーは直訳では配送です。納期を表します。注文からお客様に届くまでの時間になります。欲しい人にすぐ買ってもらえるようにしなければなりません。仮に安くて良い品を作ったとしてもお客様が欲しい時に手に入らないとしたら意味がないです。

この3つのバランスが取れているのが良い品の条件になります。安くて良い品でどこの店にでも置いてあれば、爆発的に売れる事でしょう。ところがそんな品ってなかなかないですけど。

今は競争社会。製造業の現場では熾烈な戦いが繰り広げられています。材料を仕入れるのに安い所はないか、作業時間を短縮しつつ品質を保持できないか、注文から完成までの時間を短縮できないか。知恵を振り絞って戦いが繰り広げられています。

QCDの極論、金のつまようじ

極端な例を。私がたまに使うジョークに近い、例え話。金のつまようじです。それは18金でできています。
・金属には殺菌作用がありますので清潔です
・金は腐食しません。安全です
・湿度の影響を受けず変形しません
このような材質の特徴から歯の間の清潔を保つ目的に対して非常に効力を発揮します。またその機能とは別にして金と言う材質固有の美しさがあり、美術装飾品として鑑賞に堪えます。比重が高いので重いのですがその分重厚感があります。注文生産で受付から納品までけっこうな日数がかかります。

誰か買うでしょうか。歯の間を掃除する道具として極めて高品質なんですが。問題は価格。これを書いている時点で18金の相場はグラム3千円強。つまようじですから使ったら捨てるだけです。よほどお金の余っている物好きが買うかどうか。ちなみに百均で売っているつまようじを検索して見ると850本入りとありました。

品質に極端にこだわった例です。過剰品質なのは明らか。明らかと言う根拠は何かと言いますと数十秒くらい使って捨てると言う用途と価格の比較です。

介護現場でのQCDは?

では介護の現場でQCDをどう考えるか?クオリティは介護の質になります。介護の質とは?自分でできない所に手を差し伸べてほしいお客様への過剰品質とはいらない所まで介護する事です。最低限ここだけやって欲しいなと思っているお客様にあれこれ全部してしまう事になります。

コストはクオリティを上げると浪費される物。介護現場では時間になると思います。過剰な介護を行うと時間がなくなってしまう事になります。介護者の技量が低いと過剰でなくとも時間がかかるのは当然。これはまるで材質のように見えます。

デリバリーは介護できるお客様の人数になるかと。期限が限られている所に時間を浪費すると時間切れが起き、待っているお客様を待たせ続ける事になります。

介護はどうしてもしっかりやりたいと思ってしまいます。でも適量と言う物があります。ていねいの上に「ばか」が付くほどすべきではありません。それにエスカレートする傾向があります。さらにお客さまを喜ばせたいと。時間を掛けるのが当たり前になるとさらに時間をかけたくなります。例に挙げました「金のつまようじ」はあり得ない極論ですがいつの間にかこんな物を目指してしまいそうです。

逆もあり得ます。効率を優先したり、時間がなくなってしまったあまり、雑な介護になってしまう事はないでしょうか。どちらになってもよろしくないのです。

”かんり じんじ”が介護のQCDを考える

かんり じんじ

  • 過剰介護になっていないか
  • 時間内に十分な介護をできる技量があるか
  • 時間優先のため手抜きになっていないか

こんな点に気を付けれて介護を進めたいです。ていねいな介護はお客様の喜び。きめ細やかな介護には取り組んでいきたい所。別のページに書きますが「やってあげる」と言う上から目線が過剰介護を招きます。ここでは過保護な介護と言う表現にとどめます。さらには過保護な介護にはやり過ぎ以外にも重要な問題があります。これはやっちゃいけない大きな間違いなのです。これもまた別頁に。

技量面でも頑張りたいところです。他の介護職が簡単に終わらせるような事が時間がかかりすぎると時間がなくなってしまいます。ここは頑張って上達に努めて欲しいところです。

 - 介護職に求める物