介護職という選択

介護職への就職を選択する方へ。現役デイサービス施設長からの情報提供

認識力|行動の前に必要な力

介護職に求める物介護職に求める一つを認識力と名付けます。

  • 利用者の状況
  • 他のスタッフの状況・立ち位置
  • 自分の状況・立ち位置

これを認識する必要があります。一度把握したらOKではありません。状況は刻一刻と変化します。周りを見、自分が何をするのが最適かを判断、行動する必要があります。施設の中で利用者の安全を確保するのはとっても大事な仕事です。介護職が行動する前の認識を誤ったら施設内は危険極まりない状況になってしまうのです。

危ない場面の例

あなたは台所で昼食の準備をしていたとします。現場の方には利用者が何人もいます。スタッフ二人はレクレーションをしています。看護師は利用者の血圧を測っています。
しばらくするとスタッフの一人は利用者一人を連れてトイレに入りました。残った利用者の一人が落ち着きをなくして危ない状況になりましたので残ったスタッフが対応を始めました。
さらにもう一人の利用者が転倒しそうに立ち上がったとします。スタッフの一人は対応中ですのでそれに気が付いていません。看護師の耳には聴診器がささっていますので何も聞こえません。
この状況であなたは台所作業を中断して危険行為への対応に走らねばなりません。
このような事は常に起きます。さらに複雑にした事例が一日のうちに何回も繰り返されます。同じような場面はありますが同じ状況は二度と起きません。

スタッフの一人がトイレに利用者を連れて行かずレクレーションを続けていたら「ちょっと待って」と周りの利用者に断って転倒しそうな利用者に対応するでしょう。
看護師が聴診器を離したら物音で危険な状況に気付いたでしょう。
利用者の一人の興奮状態がすぐに収まったら転倒防止の対応ができたでしょう。
そうはいかないのであなたは台所仕事を中断する必要があるのですが中断のやりかたも重要。食材も包丁も放り出し、ガスコンロは火のついたまま、手が食材で汚れたままで飛んで行くのはいかがなものかと。とは言ってもきちんと片づけて手を洗ってたら間に合いませんし。これはその危険行為によります。一刻の猶予もないかちょっと余裕があるか。すぐに回避できるのか対応に時間がかかるかによります。これは周りの状況と自分の状況によるのです。

危ない場面のさらに極端な例

ある利用者が急に発作を起こして倒れました。当然対応しないといけません。看護師は病状を把握しようとしています。もう一人のスタッフは看護師と一緒に片隅のベッドに運ぼうとしています。一人は救急車の手配中とします。残ったあなたはどうしますか。心配になって見に行くと言うのが最悪。何もできる事がないのにながめている事になります。介護職のはずが単なる野次馬です。
ここで気を付けるべきは誰もいなくなっている現場はどうなっているかです。発作が起きたその場所はどうなっているか、不潔になっているかもしれませんし散らかっているかも。他の利用者はどうなっているか。動揺していないか、危険行為をしようとしていないか。別の事故が起きないように誰か気を付ける必要があります。この場合にそんな重要な役割をするのがあなたです。
とは言っても居残って危険防止だけを続けるのが良いとも限りません。ベッドに運ぶスタッフと交代するのが良いかもしれません。救急車の連絡を終えて、到着を待つスタッフにわずかばかり手が空くかもしれません。利用者を落ち着かせてこの騒ぎのために中断している施設全体のスケジュールを継続する事を担当した方が良いかもしれません。

サイト管理人”かんり じんじ”のまとめ

かんり じんじこの業界は人出不足と言われています。単純に人が足らないのはあるのですが、例に挙げたような状況で(もっと緊張する必要のない場面でも)適切な行動のできないスタッフがいると「人が何人いても足らない」事になります。少数精鋭という言葉がありますがこれから介護職を目指す方にはそうなってほしいです。介護技術は仕事を始めれば勝手に上がって行きます。でもそれをどこで活用するか判断が重要です。その判断のためには状況を把握する力が必要になってきます。優秀なスタッフが行動を起こす時には利用者の状況・他のスタッフの状況・自分の状況をまず把握してからになりますのでこの力は磨き続けていただきたいです。

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